2.音を扱う道具
2.1.音響機材は電気製品
音響担当者になるということは、多くの場合否が応でも音響機材を操作しなくてはいけなくなる。
ということは当然音響機材というものが何であるかを知っておいて損はないということだ。
ここでは音響機材にはどんなものがあるか、それがどんな役割を果たすのかを簡単に説明しよう。
それでは、一般的にどのようなものが音響機材と呼ばれるのだろうか。
- マイク
- CDプレーヤー
- ミキサー(音響調整卓)
- パワーアンプ
- スピーカー
- カセットテープレコーダー
- エフェクター
- それらをつなぐケーブル・・・etc.
簡単にあげるとこんな感じかな。どれも聞いたことくらいはあるんじゃないかな?
音響担当者はこれらを駆使して音を大きくしてみんなに伝えたり、録音したりするわけだ。
これらは全てそれぞれに使用目的(役割)が違う単体の機材だけど、その幾つかを一つにまとめた製品もある。
パワーアンプとフェクターを内蔵したミキサーや、パワーアンプを内蔵したスピーカーなんかもある。
カラオケセットなんて全てが一体となったオールインワンパッケージともいえるな。
カラオケセットのような簡易的な機材でも用途によってはそれで十分という場合もあるだろう。
そしてこれらの機材に共通していることがある。全て電気製品だということだ。そこで、3つ
注意して欲しいことがある。取り扱いと電源と消費電力についてだ。
- 取り扱い
- 近頃の電気製品はほとんどが精密機器なので、取り扱いは丁寧に行うこと。衝撃は厳禁だ。音響機材は全て
パソコンを取り扱うように慎重に取り扱って欲しいのだ。特にマイクは構造的に他の機材と比べても
弱いところがあるので、特に丁寧にね。マイクは一般に湿気にも弱いので、
プロのスタジオでは温湿度管理ができるボックスに入れて保管しているところもあるくらいだ。
まぁ、そこまでしろとは言わないが、大切な機材だからね。
-
- 電源
- 電気製品だということは、電源がなければ音響のお仕事は成り立たないということ。
音響機材というものは、ある場所に固定して使うということもあるが、持ち運んで色々な場所で使う
ということの方が多いのではないだろうか。そうした場合に前もって電源コンセントの位置だとか
数だとか調べておくとことがスムーズに運ぶということだ。延長コードは何メートル必要かとかね。
- 消費電力
- 電源の話とも重なるところがあるんだけど、電源を取る際に消費電力にも気を配って欲しいのだ。
音響機材の中でも特にパワーアンプは消費電力が大きいからだ。
家庭で一度にたくさんの電気製品を使い過ぎて、ブレーカーが落ちて一度に電気が止まってしまった、
という経験をもっている人はかなり多いだろう。
家庭用の場合1つのブレーカーに流せる電気の量は大体10アンペア〜20アンペア。
そして日本の場合、家庭用コンセントに掛かる電圧は100ボルト。
したがって1つのブレーカーで負担できる消費電力は1000ワット〜2000ワットということになる。
例えば1000ワットしか負担できないブレーカーに、消費電力750ワットの電子レンジと
消費電力350ワットの炊飯器をつなげてスタートさせると、ブレーカーが負担できる
1000ワットを100ワットオーバーしてしまうので、ブレーカーの安全装置が働いて
ブレーカーが落ちてしまう、というわけ。
家庭の話ならブレーカーを入れ直してしまえばそれで済む話だが、お客さん相手に音響のお仕事をしている場合は
笑い話では済まない。そうならないように、使おうとするコンセントやブレーカーが
何ワットまで耐えられるのか、そこから電源を取ろうとする機材の消費電力は全部で何ワットなのか、
ということを考えて、オーバーしないように使った方がいいよ。という話。特にパワーアンプは他の
機材と比べて消費電力が桁違いに大きいので注意してね。
まぁ、これは特に音響機材に限った話ではなく、電気製品一般の話ではあるんだけど、中には
あまり詳しくない人もいるかと思うので、一応説明することにしました。頭に入れといてくださいね。
この他にもマイクスタンドやスピーカースタンドなど電気製品以外の機材もあるが、音が直接通っていく
機材は全て電気製品と思ってもらっていいので、不注意で壊したり事故ったりしないようにしたいからね。
で、これらの機材には民生用と業務用という分け方がある。音響というお仕事をする場合、第3者を相手にする場合が
往々にしてある。いわゆるお客様だな。そういった時に民生用と業務用という話が関係してくる。
次にそのことについて話してみよう。まぁ、これも音響機材に限った話ではないけどもう少し付き合ってね。
Atsushi Hirai; 2006-01-01 open; 2006-01-01 update
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