2.音を扱う道具

2.4.ミキサーの役割

コンサート会場を思い浮かべてみて欲しい。ミキサーは客席中央にある。 ステージ上にはボーカル用にマイクが5本並んでいて、楽器も並んでいる。ギターにベース、そしてシンセが2台。 そしてステージの上手、下手には客席に向かって大きなスピーカーが1台ずつ置いてある。 ・・・話を単純にする為に、今はここまでにしておく。

さて、ミキサーもひとつの音響機材。ということは、ミキサーに入ってくる音があって、出ていく音があるはず。 そう、察しのいい人はもう分かると思うが、マイクや楽器から出る音がミキサーに入ってくる音。 そして、ミキサーから出ていく音はパワーアンプを通ってスピーカーに入っていって音を出す。 この一連の流れで、ステージ上の演奏が客席で聞こえる状態になるわけだ。

そこで考えて欲しいのがこの時ミキサーは何をやってるかということ。ミキサーに入ってくる音は幾つあるだろうか。 マイクが5本、楽器が4台、ということは最低でも9種類の音がミキサーに入ってくることになる。一方、出ていく音は 幾つあるかというと、スピーカーが2台だからLRで出したとして、2種類の音がミキサーから出ていくことになる。

ん?9種類の音が入ってきて、2種類の音が出ていく? 数が合わないよね。これがミキサーの役割のひとつ。つまり、 入ってきた音をまとめるということだ。これをミックスするという。この場合は9種類の音がミキサーで2種類にまとめられて ミキサーから出ていくことになる。

ジューサーミキサーと同じだ。みかん、パイナップル、もも、メロン、イチゴ、牛乳、砂糖、 色んな材料をジューサーミキサーにかけると、ひとつの材料単体では出せない味のおいしいミックスジュースになって出てくるよね。 それと同じことを音響のミキサーもやっているというわけ。ちなみに、色んな材料の中のひとつが腐っていたりすると、 他の材料が如何に新鮮でおいしくても、・・・ウック・・・、これ以上はやめておこう。

それ以外にもミキサーの役割はあるが、おいおい説明するとして、ここではミキサーは入ってきた音を ミックスしてまとめるということが分かればよい。

それでは次に、ミキサーに入ってくる音、ミキサーから出ていく音には何があるかをもう少しだけ詳しく見てみよう。

Atsushi Hirai; 2006-01-01 open; 2006-01-01 update Mail to