いろんな例を挙げて音を出すってどういうことかを見てきた。こんどはその音が出た後にどうなっていくか考えてみよう。
例えば、ピアノである音をポーンと出したとする。音が出後、時間が経てばその音はどうなるだろうか? そう、
容易に想像できると思うが、時間が経てばその音は小さくなってやがて消えてゆく。少し堅苦しい言い方になるが、
時間経過と共に音の大きさが小さくなる方向に変化していく、とも言える。
また、音楽を聞いている瞬間瞬間を考えてみよう。音はいつも同じ状態だろうか? それでは音楽が成り立たないよね。
音楽も一瞬一瞬が全て違う音の連続なのだ。つまり、時間経過と共に音が変化していくということ。
そして、音楽が鳴り止めば、音は消えてゆく。
つまり、音というのは常に時間的に変化しているということだ。これ、とても大切なこと。また、音の発生が止まれば、 次第に小さくなり、やがては消えてゆく。音響担当者の大切な役割のひとつは、そのリアルタイムで変化する音を 伝えるということだ。機材を使ってそれを行うのはまだ少し後にして、まずは何も使わずに音を伝えるということを 考えてみたい。リアルタイムで変化している音だから、実際にその場で聞いていなければどんな音なのか分からないよね。 その場にいないためにその音を全く聞いていない人に伝えるとしたら、あなたはどのように伝えるだろうか? 何と言って その音を表現するだろうか?
Atsushi Hirai; 2006-01-01 open; 2006-01-01 update Mail to