誰が名付けたのかは知らないけどちょっと洒落た名前だ。別にカクテルパーティーじゃなくてもいいんだけど、
人がたくさん集まっている場所で会話をしている状況を想像しよう。パーティーでも宴会でも街頭でも、ある程度
にぎわっている場所ならばどこでもいい。さて、その時、わたしたちの耳には周りにいる人のありとあらゆる会話が
耳に届いているはずだ。でも、それと同じくらいの声の大きさで特定の人と話しても、それなりに会話ができる。
その特定の人の声の大きさが、隣で別の人と話している人の声の大きさよりもわずかに小さいとしてもだ。
もし、自分の耳のそばにマイクを立ててその状況を録音して、後で聞いたとしても決して同じようには聞こえないだろう。
人間の耳には選択性があるのだ。つまり、聞きたい音だけを選択して聞くことができるということ。これには
視覚も大いに影響する。つまり、話している相手の姿が見えないよりも見えた方が、より聞こえやすくなるということ。
これはどういうことか? 人間は聞こうとする意志が働けば働くほど、その対象に意識を向ければ向けるほど
その対象とする音が聞こえてくるということだ。
科学的にすべてが解明されているわけではないけれども、この現象(効果)が存在することは明らかで、
一般的にはこれをカクテルパーティー効果と呼んでいる。実際にPAや録音を行う際にも気をつけなければならない
現象でもあるし、逆に効果的に活かせる現象でもある。