3.音って何?

3.4.音の不思議

3.4.5.ハース効果

ステレオの場合スピーカーって通常L側とR側の2つあるよね。そのスピーカーから曲を流すとき、 その曲は通常2つのスピーカーの真ん中から聞こえるよね。これはL側とR側のそれぞれのスピーカーが 同じ音量で鳴っているということ。L側のスピーカーだけ音量を大きくすれば曲全体がL側に 寄ったように聞こえるはず。
そこで問題。例えば機材の故障でどうしてもL側のスピーカーの音量が少しだけR側よりも大きくなってしまうとする。 当然音はL側にずれて聞こえる。だけど修理するお金もない。何とか工夫してきちんと真ん中から再生されるように ならないだろうか?
答えのひとつは「R側のスピーカーを少し前に出すか、L側のスピーカーを少し後ろに下げればよい。」だ。 前に出したり後ろに下げたりする距離は「音が真ん中から聞こえるまで」だ。

つまり、こういうことだ。人間には耳が2つある。そして2つの耳に入ってくる音により次のような現象が起こる。

音の発生源がどこにあるかではなく、2つの耳にどういう入り方をするかで、頭の中で作られる音のイメージが決まってくるということだ。 これをハース効果という。

また、その音のイメージのことを音像といい、その音像が上下左右どこに位置するかを定位という。 上の例でL側に音が寄っている状態は、「音像全体が左に定位している。」という言い方をする。そして、定位という言葉は、音像全体の中で 「ボーカルが真ん中に定位している」とか、「ギターが左に定位している」とか、「バスドラは普通一番下に定位するようするもんだ」とか、 「ピアノははじめ奥の方に定位させておいて、ソロになったら一番前にだしてね」とか、いうふうに音の位置的なイメージを 表現するときに使われる。

Atsushi Hirai; 2006-01-01 open; 2006-01-01 update Mail to