これは意識するしないにかかわらず誰もがやっていることだけど、音を大きくするもうひとつの方法として、
音の広がり方を制限するというのがある。
具体的な例としては、スポーツの応援なんかで使うメガホンや、ホールの反響板
などだ。前に音は四方八方に広がるという話をしたけど、口を伝えたい相手の方向に向けるというのもこの方法だ。
メガホンは口を相手に向けるだけではなく、あのラッパで更に声が広がるのを防いで、メガホンを向けている方向に
音圧を集中させるという働きがある。また、ホールの反響板も音がステージの後ろ側に拡散するのを防いで、それを
前方向(客席の方向)に反射させて、音圧を増すという働きがある。
このように、音響機材を使わずとも適切な場所、方法を考えれば、発生源から出ている音量が同じでも、 それをある程度大きく聞こえさせることができることも頭に入れておいてほしい。それでも更に音量がほしい時には 音響機材を使うわけだ。でも、[4.1.〜2.]で話したことは、これから音響機材で音を大きくしていくときにも、 いかに効率よく音量を稼ぎ、そのために適切な機材を選べるかということにもかかわってくるのだ。
Atsushi Hirai; 2006-01-01 open; 2006-01-01 update Mail to