4.音を大きくする
4.4.必要最小限のPA機材
4.4.5.ミキサの役割
音を大きくするということを考えたときのミキサーの役割は、ズバリ、プリアンプだ。
つまりミキサーには、音を増幅する(大きくする)という役割があるということ。
[4.4.2.プリアンプ、パワーアンプの役割]では詳しく説明しなかったが、ここで、
プリアンプ、パワーアンプの違いについて説明しておこう。
アンプっていうのは音を増幅する(大きく)ものだってことは説明したよね。
単純に考えると、何で2種類もアンプがあるの? って思わない? 両方とも音を増幅するんだったら、
どっちかひとつだけじゃだめなの?
その通り! どうしても現状の音響技術では、2段階に分けて増幅しないとうまくいかないらしい。
その1段階目の増幅をプリアンプというものが担当して、2段階目の増幅をパワーアンプと
いうものが担当している。
ここでちょっと寄り道して、それぞれの機材の中で電気信号がどのくらい増幅されているか(大きくされているか)を
みてみるために、それぞれの機材から出る電気信号の大きさというものを考えてみよう。
かなり大雑把な表現になるが、それぞれの機材から出る電気信号の大きさは次のようになる。
- マイクから出てプリアンプに入る電気信号の大きさは数[mV]〜数十[mV]程度
- プリアンプ(ミキサー)から出てパワーアンプに入る電気信号の大きさは数[V]程度
- パワーアンプから出てスピーカーに入る電気信号の大きさは数十[V]程度
[v]とか[mV]は電気の大きさを表す単位のひとつで、[V]はボルト、[mV]はミリボルトと呼ぶ。
[m](ミリ)というのは1/1000という意味なので
1[V]=1000[mV] (0.001[V]=1[mV])
となる。
ということは、マイクから出た電気信号は、プリアンプ(ミキサー)の中で、100倍〜1000倍くらい大きくされ、
更に、パワーアンプの中では10倍くらい大きくされることになる。PAシステム全体でみると、
マイクから出た電気信号はスピーカーにたどり着くまでに、10000倍くらい大きくされるっていうことだ。
ミキサーには、その1段階目の増幅を担当しているプリアンプが内蔵されているのだ。ミキサーというのにも色々あって、
プリアンプが内蔵されていないものも普通に販売されている。一般的にはプリアンプが内蔵されていないものは
ラインミキサーと呼ばれる。このセミナーでは単にミキサーという場合は、プリアンプが内蔵されているミキサーを
指すことにする。別な言い方をすると、マイク入力に対応しているミキサーだ。
そんで、ミキサーの大きさっていうのは、何本のマイクをつなげられるかで大体決まる。
その本数は、ほとんどが4、8、16、24、32、40、48という区切りになっていて、
つなげられる本数が多ければ多いほど、ミキサーは横に広がっていくのだ。そのひとつひとつに
プリアンプが内蔵されている。そして、ミキサーに内蔵されているプリアンプは、一般的に「ヘッドアンプ」と
呼ばれている。
まぁ、ここでは音を大きくするためには、どうしてもプリアンプとパワーアンプ、2種類のアンプが
必要だということ。そして、ミキサーにはつなげられるマイクの本数だけプリアンプが内蔵されて
いることが分かればいいだろう。
もっとも、ミキサーの役割は[2.音を扱う機材]で説明したように、他にも音を混ぜ合わせるなどの役割もある。
その重要な役割のひとつが音を大きくする(プリアンプの役目を果たす)ということだ。
以上みてきたように、ミキサーにはプリアンプが内蔵されているので、初心者が最初にプリアンプを単体で購入することは
まれである。一般的にはミキサーをしばらく使ってみて、「ミキサー内臓のプリアンプでは音質的に満足できない」
という不満が出てきて、それじゃぁ単体のマイクプリアンプを使ってみたら? というストーリーになる。
したがって、音を出すための必要最小限の機材は、マイク、ミキサー、パワーアンプ、スピーカー、と
いってもいいだろう。
でも、今まであまり触れなかったけど、その4つの機材が目の前に置いてあっても音でないよね。
そう、それをつなげなきゃね。
Atsushi Hirai; 2006-01-01 open; 2006-01-01 update
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