4.音を大きくする
4.5.実際に音を出してみよう
4.5.2.機材をつなぐ前の確認
機材の準備ができたら、早速つないでみたいところだけど、その前に次のことを確認してほしい。
パワーアンプについては元々操作する箇所が少ない機材なので簡単だが、ミキサーは慣れないうちは
多少戸惑うかもしれない。なにせスイッチやツマミの数が多いからね。
ミキサーは2つのブロックに分けて説明してあが、チャンネルコントロール部については、
すべてのチャンネルについて確認してほしい。この確認操作は、いわば機材を初期状態に戻す作業でもある。
はじめにこの操作を行なうことで、ミキサー上のすべてのツマミ、スイッチに目がいくことになる。
とりあえず音を出すだけならここまでの確認は必要ないだろうが、PAシステムを操作する上で
是非とも覚えてほしい作業なので、ここで説明することにした。
目的は、すべてのスイッチ、ツマミの名前や配置を覚えるためと、機材を壊さないため、更には作業ミスを減らすためだ。
経験を積めば積むほど、この確認作業の大切さが分かってくるはずだ。
なお、スイッチ類の表記はマニュアルに記載されているものをそのまま用いている。別な表記例が
ある場合は、( )で記載する
- パワーアンプ
- 電源スイッチは OFF になっているか
- ゲインコントロールはチャンネル1、2とも左に回し切りになっているか
(他にボリューム、Volume、ATTという言い方がある)
- モノラル・ステレオ切り替えスイッチはステレオになっているか
(モノラルはブリッジとも呼ばれる、今回はステレオで使うのでステレオにする)
- ミキサー(マスターコントロール部)
- 電源スイッチは OFF になっているか
- STマスターフェーダー、GROUP 1-2フェーダー、は一番下まで下がっているか
(STマスターフェーダーは、STフェーダー、マスターフェーダー、MAINフェーダー、MIXフェーダーなどと呼ばれる)
(GROUPフェーダーは3-4,5-6,7-8などがある場合もあるが、そのすべてを確認する)
- SENDマスターツマミ(AUX1,AUX2)は左に回し切りになっているか
(AUXはミキサーにより数が異なるが、そのすべてのツマミを確認する)
- RETURNツマミ(AUX1,AUX2,ST)は左に回し切りになっているか
- 2TR IN コントロールツマミは左に回し切りになっているか
- C-R/PHONESコントロールツマミは左に回し切りになっているか
- レベルメーター信号切り替えスイッチ(ST-GROUP,2TR IN)は OFF になっているか
- PHANTOM +48V スイッチは OFF になっているか
(ファンタム、ファントム、と言う)
- ミキサー(チャンネルコントロール部)
- GAINツマミは左に回し切りになっているか
(他に TRIM という場合もある)
- ハイパスフィルタースイッチは OFF になっているか
(他にローカットフィルターという言い方や、単に√のような記号だけで表す場合もある)
- イコライザーツマミ(HIGH,MID,LOW)は▼の位置になっているか
(他には略称で EQ と表す場合もある)
(イコライザーセクション全体のON/OFFスイッチがある場合には OFF にする)
- AUX1,AUX2コントロールツマミは左に回し切り(=0)になっているか
(AUXはミキサーによって数が異なるがすべてのAUXツマミを確認する)
- PREスイッチは OFF になっているか
(ミキサーによってはPRE/POST切り替えスイッチになっている場合もある、その時は POST にする)
- PAN,PAN/BAL,BALコントロールツマミは▼の位置になっているか
- STスイッチは OFF になっているか
(STマスターフェーダーの名称により、ST, MIX, MAIN などになる場合もある)
- PFLスイッチは OFF になっているか
- GROUPスイッチは OFF になっているか
(ミキサーによって GROUP の数が異なるがすべてのGROUPスイッチを確認する)
- チャンネルフェーダーは一番下まで下がっているか
はじめはスイッチの意味が分からなかったり、時間がかかったりするだろうが、ここはじっくり
確認してほしい。この程度のミキサーなら、慣れれば1〜2分でできるだろう。
勉強していくうちにスイッチやツマミの意味が分かってくると、確認を省略できる部分も自然と分かってくるだろうしね。
Atsushi Hirai; 2006-01-01 open; 2006-01-01 update
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