4.音を大きくする
4.5.実際に音を出してみよう
4.5.3.電源ケーブルをつなぐ
確認が終わったら、次は電源の確保だ。電源ケーブルをつなごう。今回電源が必要な機材は
パワーアンプとミキサーだけだ。この時、注意してほしいのが機材の消費電力と電源の容量(ブレーカーの容量)だ。
絶対に機材の消費電力が電源の容量を超えないようにしてほしい。そうでないと、使っている途中に
ブレーカーが落ちるという事態に陥る可能性があるからだ。「あら、落ちちゃったのね」で
済むのであれば、特に何も言わないが、この計算ができない人はハッキリ言って音響機材は
いじらない方がいい。
と言って突き放してしまったのでは元も子もないので、計算の仕方を説明しよう。
- a.電源の容量を調べる
- b.すべての機材の消費電力を調べる
- c.(a.-b.)を計算する
a.電源の容量を調べる
つなごうとするコンセントの電源の容量は幾らか? まず、一般の家庭の場合はつなごうとする
コンセントがある部屋のブレーカーの容量だ(電力会社との契約容量じゃないからね)。
たいがい10A(10アンペア)〜20A(20アンペア)くらいじゃないだろうか。
家庭用コンセントの電圧は100Vなので、ブレーカーの容量が10Aならば
10A × 100V = 1000W
となり、1000W がその部屋全体で使える電源容量ということになる。同じように、15A なら 1500W 、
20A なら 2000W ということになる。
b.すべての機材の消費電力を調べる
使用する機材のマニュアルには必ずその機材の消費電力が何Wか記載されているし、機材の裏に
貼ってあるシールに記載されていることもある。まずは使用する機材すべての消費電力を調べて
それを合計してみる。
c.(a.-b.)を計算する
【a.で調べた電源容量】と、【b.で調べた機材の消費電力の合計】を比べる。
電源容量の方が多ければ、OK。もし、機材の消費電力の合計の方が多ければ、NG。
機材がフル稼働したときに、安全装置が働いてブレーカーが落ちるという結果になる。
そしたらNGの場合はどうするかというと、
1.使用する機材を消費電力が電源容量の範囲に収まるように変更する
(でも、たいがいは必要があって機材を選んでいるのでこの選択はないだろう)
2.ブレーカーが違う他の部屋から延長コードを使って電源をとる。
消費電力がオーバーする機材の分だけ、別のブレーカーにつなげるということ。
(消費電力が一番大きいのがパワーアンプなので、それだけ電源を別にすればOKになる場合が多い)
3.電源車をレンタルする。
(予算との絡みがあるので、ここではノーコメント。)
まぁ、たいていは 2.の方法だろうな。
この計算方法は、たこ足配線をしてもブレーカーを落とさずに済む方法でもある。たこ足配線はそれ自体が
悪いわけではない。電源容量とつないでいる電気製品の消費電力をきちんと計算して使えば別に
問題ではないのだ。
また、ホールなどを借りる場合は使いたい機材の消費電力を申請すれば、たいていはそれに応じた
容量の電源コンセントを提供してもらえる。多くの場合、1つのコンセントにつき何アンペアまでと
容量が指定されるので、オーバーしないようにつながなければならない。
ちなみに、今回[4.5.1.機材の準備]で揃えた機材の消費電力は、パワーアンプが 900W、ミキサーが 29W なので、
合計 929W。となり、電源容量が10A(1000W)でも 1000W - 929W = 71W で 71W の余裕があるので、十分使える
計算になる。というか、そうなるように選んだんだけどね。
さて、電源ケーブルはつながったかな? まだ電源スイッチは ON にしないでね。
次は機材同士をつなげるぞ。
Atsushi Hirai; 2006-01-01 open; 2006-01-01 update
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