まずはマイクの方からみてみよう。知っといて損はないと思うので紹介すると、今回選んだ
SHURE(シュアー) の SM58 というマイクは発売以来も、30年以上もベストセラーを続けている、
PAでは定番中の定番のマイクだ。通称ゴーハチ、ゴッパー、ゴッパチなどの愛称で呼ばれている。
主にボーカル用として使われるが、丈夫で長持ち、ほぼオールマイティに使える優れものだ。
さて、このような形のマイクは、構造上、大きく2つに分けられる。ヘッドと呼ばれる部分と、
ボディと呼ばれる部分だ。そして、ボディの先端には出力端子がついている。前から話しているように
電気信号が出て行く部分だ。
ちょっと待ってね、今まで「音が入る」とか「電気信号が入る」「出て行く」なんて表現をしていたけど
ここからは「入力」「出力」という言葉を使うことにしよう。「機材に音が入る」というのは「機材に音が
入力される」、「マイクから電気信号が出て行く」というのは「マイクから電気信号が出力される」となる。
また、そのように電気信号が出力される部分を「出力端子」「出力コネクタ」、入力される部分を「入力端子」
「入力コネクタ」と呼ぶ。両方合わせて「入出力端子」と呼んだりもする。
さて、話を戻して。SM58 の出力コネクタをみてみよう。3本のピンが出てるのがわかるでしょ。このピンから
電気信号が出力されるんだけど、このタイプのコネクタを「キャノン」コネクタという。そして、コネクタには
必ず「オス」と「メス」があって、この2つが合わさって、ケーブルや機材が接続できる仕組みになっている。
ピンが出ているのが「オス」で、そのピンを受けるために凹んでいるのが「メス」という。「マイクの
出力コネクタは「キャノンのオス」だ」というような言い方をする。
また、今回選んだ3mのマイクケーブルは、片方が「キャノンのオス」、もう片方が「キャノンのメス」という
構成のケーブルだ。マイクの出力コネクタに、このケーブルのどちらか片方をつなげるんだけど。もうわかるよね。
そう、マイクの出力コネクタ「キャノンのオス」とマイクケーブルの「キャノンのメス」をつなげるのだ。
オス側のピンと、メス側の凹みが合うようにして差し込んでみよう。
この時、必ず「カチッ」とロックがかかるまで、しっかりと押し込むこと。
キャノンタイプのコネクタのいいところは、ロック機構があって、一度ロックしたら抜けなくなるというところだ。
このロックを解除するには、キャノンのオスのコネクタについている四角いノブを押しながらコネクタを引き抜く。
実際にやってみてね。
これでマイクとケーブルがつながったよね。次はミキサーとの接続だ。ケーブルのもう片方「キャノンのオス」には
何もつながっていないよね。そのケーブルの「キャノンのオス」とミキサーをつなげるわけだ。ミキサーのバックパネル
(背面の色々なコネクタがたくさん並んでるところ)をみると、「キャノンのメス」コネクタが横一列に6つ並んでいるよね。
その一番右側のコネクタにケーブルの「キャノンのオス」コネクタを差し込んでみよう。
これでマイクとミキサーがつながったことになる。もし既にマイクを持っている人で、マイクにケーブルもついていて、
そのケーブルの先端のコネクタが「フォーンプラグ」タイプの場合には、上記「キャノンのメス」コネクタの下にある
「フォーンジャック」コネクタに差し込む。「フォーン」タイプの場合には「オス」を「プラグ」、「メス」を
「ジャック」という呼び方をするのだ。コネクタについては他にも色んな種類があるので、また後で詳しく説明する。