自分でマイクに向かって話す。それをスピーカーから大きめの音量を出して聞く。話しながら同時に 聞く。そして自分の声が不自然な音で聞こえないかチェックする。不自然だと思った場合には、 その音を覚えておいて、それらしい周波数帯域のボリュームを少し上げてみる。不自然だと思う音が 大きくなれば、その特定の周波数帯域の音が出過ぎているということなので、その帯域のボリュームを少し下げる。 また、声を出してさっきの不自然さがなくなったかどうかチェックする。 その繰り返しで、自分の声がきちんと自分の声として聞こえるように調整するわけだ。 その時にマイクに向かって話す声だが、周波数帯域の低い方から高い方までまんべんなくでる声質がいい。 でも一度にそんな声を出せる人は万に一人もいないだろう。だから、意識的に低い声を出したり、 高い声を出したりして、なるべく広い範囲でチェックするようにする。話す言葉や、発音の仕方、 発声方法によっても声の音質は変化するから、自分なりにいろいろ考えて調整する。
最初だいたいの当たりをつける時に、筆者はよく「チェック、ワン、ツゥー」という言葉を使う。 「チェック」の「チェッ」にアクセントを置いて高音域を、「ワン」の「ワ」にアクセントを置いて中音域を、 「ツゥー」の「ゥー」にアクセントを置いて低音域を、という具合にそれぞれの音域での聞こえ具合をチェックするのだ。 その他にも、同じ意味で「チェック、ハィ、ロォー」という言葉を使ったり、「イッツ、ファイン、トゥデェイ」という 言葉を使う人もいる。ちなみに、音声のチェックをするときに「本日は晴天なり」といっていた古き良き時代があったらしいが、 それは「イッツ、ファイン、トゥデェイ」をただ単に訳しただけで、あまり音質のチェックにはならないので、 よい子はまねしない方がいいと思うよ。マイクのインプットチェックくらいにはいいけどね。
いずれにしても、はじめのうちは自分の声だけが会場いっぱいに響き渡るので、ちょとハズカシイ・・・。 というのもあるし、慣れないとどこが不自然なのかということすら判断できないだろう。 さらに、不自然だと感じても、どの周波数帯域を調整すればいいかこれについては出来るだけ多くの練習を重ね、 経験を積むしかない。判断材料は自分の声と自分の耳しかないのだから。
Atsushi Hirai; 2006-01-01 open; 2006-01-01 update Mail to