5.大きくすると音が変わる?

5.6.GEQ調整方法

5.6.3.ハウリングさせて調整

まずはじめに、ハウリングさせ続けたり、激しいハウリングは機材を傷めるばかりでなく、即破壊という 危険もあることをお断りしておく。したがって、わざとハウリングさせるといっても、大音量のハウリングに ならないように気をつけて行なわなければならない。

準備
調整

これからの調整はマイクにスピーカーからの音以外は入らないようにして行なう。 よって、マイクの周りで物音を立てたり、話したりしてはいけない。 そのような中で音量を上げていくと、必ずハウリングを起こす。ハウリングを起こした場合は そのハウリングした音の高さ(ハウリングポイントという)を記憶しつつ、即座にフェーダーを下げるということを 念頭において、以下の作業を行なうこと。

これで、一番ハウリングしやすい周波数帯域の音量を1目盛り下げたことになる。するとどうなるか。 何もしていない状態よりも、ハウリングしにくくなっているはずだ。マイクのフェーダーを 一番初めにハウリングさせた位置まで上げてみよう。ハウリングしなくなったんじゃないかな? ということは、更に音量が出せるようになったということだ。この作業は「ハウリングマージンを稼ぐ」ともいう。 ハウリングマージンとは、本番で適正な音量を出しているレベル(フェーダーの位置)と、ハウリングを起こすレベル(フェーダーの位置)に どのくらい差があるかということだ。その差をハウリングマージンという。つまり、ハウリングマージンが大きいということは、 本番中ちょっと音量が足りないなと思った時に、そのマージンの分だけはフェーダーを上げても大丈夫ということだ。 日本語で表現すると「安全利得」という言い方をする。

上記では1ポイント(ひとつの周波数帯域)だけのしょりだが、1ポイント処理した段階からスタートして、 全部で3〜5ポイントGEQのフェーダーが下がれば、それなりに使える音になる場合が多い。繰り返し処理をしていく中で、 もし同じポイントでハウリングした場合には、同じ帯域を更に1目盛り下げることになる。 できれば、1ポイント処理するごとに実際にマイクで話したり、CDを流したりして音を確認しながらやっていくと、 いろいろと勉強になるぞ。

Atsushi Hirai; 2006-01-01 open; 2006-01-01 update Mail to