そのイベントがどのようなものなのかがわからないと、見当違いの段取りをしてしまうことになる。 音響という仕事を実現するためには、そのイベントの概要を知っておくことも大切なのだ。
これがわからないことにはスケジュールの立てようがない。しっかりと確認しておきたい。
仕事を請けておいて当日になって「あれっ場所どこだっけ」なんていう人はいないと思うが、 一応あげておく。初めて音響を担当する会場だったら、その会場で響きやすい帯域とか 会場内の場所による聞こえ方なんかをリサーチできればある程度の予測が立てられる。 あと、合わせて機材の搬入口、搬入経路なども要チェック。特にホテルなど特殊な環境で 行なう場合にはよーくチェックしておこう。搬入の時に厨房の中を通らされるなんてことも・・・。
この会場の大きさによって、使用されるパワーセット(メインスピーカーやパワーアンプなどの総称)の規模がほぼ決まる。 一般的に大出力・大容量のパワーセットほど大きく重くなる。大は小を兼ねるかもしれないが、 特に持込で使う場合は、適材適所、その会場の大きさに見合ったパワーセットが一番効率がよい。 それと、大事なのは自分が請け負える規模のイベントなのかということだ。請け負えないと判断した場合は 素直にプロに依頼しよう。そのためにプロの業者がいるのだから。
さらに、そのイベントにきてくださる客層や年齢層も知りたいところだ。 老人介護施設で行なわれるのでお年寄りの人が中心だとか。 お客様の8割がシニアエイジの奥様たちだとか。 高校の学園祭でほとんどが10代の学生さん達だとか。 はたまた幼稚園児とその保護者が中心だとか。 それによって、適正な音量が違ってくるっていうのはわかるでしょ。 帯域ごとの音量のバランス(特に低域)もそれに合わせて変えた方がよりベターだ。 また、BGMも任せられた場合、用意するBGM用の曲の選択だって大いにかわってくる。
ここではPAということで話を進めているが、そのイベントの内容を収録する必要があるかどうかもポイントになる。 収録が必要となれば、どんなレベルの収録を主催者が望んでいるかを、はじめのうちに明確にしておいたほうがよい。 状況記録的な収録でよければ、ミキサーのアウトを録音すればよいので、話は簡単だ。記録メディアは何がいいのかくらいは きちんと聞いておこう。その際、会場で聞こえているそのままの音では収録できないということを、あらかじめ 説明しておこう。前にも話したように、ミキサーからの出力は会場の響きを補正することを考えて、響きすぎる帯域の音を 削ったり(小さくしたり)している。だから、たいていの場合、ミキサーの出力をそのまま録音すると、会場で聞いているより やせた音になってしまうのだ。なかなかわかってもらえないこともあるけどね。PAではその程度の収録しか出来ないことを しっかりと認識しておこう。それでも出来るだけいい音で収録して欲しいと思うのが人情というもの。 それがどの程度まで出来るかはミキサーの腕にかかっているわけだ。出来ないといってしまえば腕はそのレベルで止まってしまうぞ。
Atsushi Hirai; 2006-01-01 open; 2006-01-01 update Mail to