7.PA機材あれこれ
7.1.マイク
7.1.9.マイクの特性
7.1.9.3.周波数特性
周波数特性
英語では、Frequency range または Frequency Response と表現される。Frequency は周波数、
Range は幅と言う意味で、どのくらい低い音からどのくらい高い音までマイクで拾うことができるかという
意味だ。また、Response というのは応答と言う意味で、音がマイクに入ってきた時に、どのくらい低く、
どのくらい高い音まで応答できる(=電気信号に変換できる)かを意味する。マイクとは音を電気信号に
変換する機材だって今まで説明してきたけど、ここで、音の大きさについて考えてみたい。例えば、
マイクに小さい音が入ってきた時には、マイクから出力される電気信号も小さい。音を次第に大きくしていくと、
マイクから出てくる電気信号も次第に大きくなる。マイクに入ってくる音が1、2、3、4、5と大きく
なっていくと、マイクから出力される電気信号も1、2、3、4、5と大きくなる。というのが、
ある意味自然な変換だろう。さて、音には高さという要素もある。例えばバスドラ、これは低い音が出るよね。
もちろん少しは高い音も含まれる。仮に、低い音が5の大きさ、高い音が1の大きさのバスドラの音が
出ていたとしよう。それをマイクで拾って電気信号に変換する。今ここに3本のマイクがあり、
- Aというマイクは低い音が5、高い音が1の大きさの電気信号に変換され、
- Bというマイクは低い音が4、高い音が2の大きさの電気信号に変換され、
- Cというマイクは低い音が3、高い音が3の大きさの電気信号に変換される、
としよう。さて、どのマイクを選ぶのが正解だろうか? 答えは、・・・どれでもいい!!
あなたが一番欲しいと思う音が出るマイクが正解! ということだ。これがマイクの個性なのだ。
この個性が一番分かりやすい形で表現されるのが周波数特性だということ。市販されているマイクの中には
どの高さの音でも、1の大きさの音が入ってきたら1に、5の大きさの音が入ってきたら5に変換するというように、
限りなくフラットな特性を目指したものもあるし、ある特定の高さの音だけが強調されて変換されるように設計された
マイクもある。そのため、周波数特性という仕様を見るときには50Hz〜15kHzというような数字だけを
見るのではなく、グラフも見てみると、特性がよく分かる。厳密に言えばマイクの個性はカタログに記載された周波数特性だけで
表現できるものではないが、一番大きな目安となると考えていいだろう。
Atsushi Hirai; 2006-01-01 open; 2006-01-01 update
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