英語では Output Impedance と表現される。インピーダンスというのは抵抗値のことで、
機材同士を接続する時に問題になることだ。でも、面倒な話はあまり知らなくともok。
最初に言っておこう。
パワーアンプとスピーカの接続を除けば、
現状市販されている機材を使い、あまり複雑な接続を考えずに、
機材の一つの端子に一つの機材をつないぐというような場合には、
インピーダンスについてはほとんど考える必要はない。
例えば、ミキサの一つのチャンネルに3本のマイクをつなげるとか、
ミキサの一つの出力に複数台のアンプをつなげるとか考えなければね。
つまり、ミキサのマニュアルの接続例みたいなのに
掲載されているような接続をしている限りはあまり考えなくてもいいということだ。
現在市販されているような機材はインピーダンスが問題にならないように作られてあるからね。
インピーダンスが問題ないかをチェックしたければ、以下のことを確認すればOKだ。
[(1)信号を出力する機材の出力インピーダンス]≦[(2)信号を入力する機材の入力インピーダンス]
マイクとミキサであれば、(1)がマイクの出力インピーダンス、(2)がそのマイクを接続する
ミキサの入力端子の入力インピーダンスとなる。ミキサとパワーアンプであれば、
(1)がパワーアンプに信号を出力しているミキサの出力端子の出力インピーダンス、(2)がパワーアンプの
入力インピーダンスとなる。察しがいい人は分かったと思うが、ミキサのように
入力端子も出力端子もある機材には端子ごとに入力インピーダンスや出力インピーダンスが存在し、
マイクのような出力専用の機材には出力インピーダンスしか存在しない。スピーカーは当然ながら
入力専用の機材なので入力インピーダンスしかない。
それを踏まえたうえで、更に知りたい場合は以下をどうぞ。
電気には直流(DC)と交流(AC)がある。
身近にある電源のことを考えてみよう。一般的に乾電池は直流電源、
車やパソコンに使われるバッテリと呼ばれるものは直流電源、
電力会社から送られて家庭用の壁コンセントから出てるのは交流電源、という具合にね。
また、ものを動かす時には必ず抵抗というものが存在する。
おもちゃの車を手で押す場合には抵抗が小さいので小さい力でもすぐ動くけど、
重さ1トン(1000kg)もある車を手で押す場合には抵抗が大きいので大きな力でないと動かない、という具合にね。
抵抗の大きいものを動かすにはそれに見合った力が必要だということだ。
それと同じように電気にも抵抗が存在する。抵抗が小さければ電気が通りやすくなり、
抵抗が大きければ電気が通りにくくなる。100Vの家庭用コンセントに
40Wの電球と、80Wの電球をつなげた場合、80Wの方が明るいよね。
これは40Wの電球より80Wの電球の方が抵抗が大きいので、
80Wの電球の方が電気が通りにくくなった分、より多くの電流を流そうとするためだ。
抵抗って大きい方がいいと思う? 小さい方がいいと思う?
そうなんだ、適材適所、抵抗は単純に大きければいい、小さければいいというものではない。
目的に応じたバランスが必要なんだ。
もう一度、車を動かす場合を考えてみよう。
重さ1トンの車は1トンの力で地面にへばりついていると考えていい。つまり
車と地面の間には1トンの抵抗があるわけだ。それを動かすためには1トン以上の力で押す必要がある。
1トン以上の力で押すということは、それと同じ力で地面に踏ん張らなければならない。つまり、
押される側だけでなく、押す側にも地面との間にもそれ以上の抵抗がなくてはならないということだ。
これは重量に関する抵抗のバランスの話だが、そのまま電気信号のやり取りにも当てはまる。
マイクとミキサの間の信号のやり取りを考えてみよう。マイクには抵抗がある。ミキサにも抵抗がある。
そしてその抵抗は、直流で動くものの場合はそのまま「抵抗」と呼ばれ、
交流で動くものの場合には「インピーダンス」と呼ばれる。(なんで交流だけが英語なんだ?
とは考えてはいけない(^^; それが世の中と言うものだ(^^;;;
「直流抵抗」「交流抵抗」って呼び方をしてもらえれば変な混乱しなくてすむのにねぇ。)
もう少し具体的な話にしよう。マイクは電気信号を送り、ミキサはそれを受け取る。そのように
音響では電気製品同士が信号のやり取りが頻繁に起こる。
出力端子側から見たマイクロホン内部の交流抵抗の公称値。出力インピーダンスが低いほど、大きな電力を負荷に供給でき、負荷の変動が出力電圧に影響しません。