7.PA機材あれこれ
7.1.マイク
7.1.9.マイクの特性
7.1.9.10.パッド、アッテネータ
英語では Pad 、Atteenuator。
この言葉はマイクに限ったものじゃないので、まずは一般的な説明から。
メーカーや人それぞれでどっちを使うかは分かれるけど、
意味は同じ。感度を落として音を小さくする(減衰させる)機能のことだ。
アッテネータのことを減衰器と言ったりもする。また、アッテネータというのは
英語書いてもカタカナ書いても長いので、普通は ATT と表記することが多い。
パッドというのは直訳すれば詰め物だな。肩パッドのパッドと同じだ。
だから、「パッドを入れる」なんて言い方もよくされる。
「あのマイクの位置だと入力デカ過ぎちゃって割れちゃうから、-20dBパッド入れた」
みたいにね。
世間一般的に、感度を-10dB、-20dB、-40dBというふうに段階的に調整できるものをパッドと呼び、
0〜-∞というふうに連続的に調整できるものをアッテネータと呼ぶことが多いみたい。
段階的に調整できるものをアッテネータと呼ぶことはあっても、連続的に調整できるものを
パッドと呼ぶことはない。ややこしいけど世の中こういうもんだと思ってくれ。
減衰器という意味ではダンパーというのも同じだ。パッドやアッテネータが機材で使われるのに対して、
ダンパーは楽器の音量を小さくするのに使われる。ピアノのダンパーペダルみたいにね。
マイクの場合、使い方としては、
- (1)はじめはパッドやアッテネータを使わずに収音してみる。
- (2)マイクに入ってくる音が大き過ぎて、歪んだり割れたりする場合には、
- (3)パッドやアッテネータを使って感度を落としてみる。
というような感じかな。
最近のマイクは最大入力感度が高めに設定されているので、普通に使っている分には
あまりマイクにパッドを入れることはないんじゃないかな。
ちなみに、ワイヤレスマイクの場合には有線マイクより歪みやすいので、パッドを入れることが
比較的多い。
マイク以外では、ミキサの入力部分に付いていることがある(ゲインを調節するツマミの近くに
パッドスイッチがある場合が多い)。また、パワーアンプのボリュームツマミ。これも実は
アッテネータだ。ツマミにメモリが振ってあれば、大抵は −∞〜0dB となっているはずだ。
0dB の位置が入ってきた信号をそのまま増幅するという意味で、そこから絞っていくことによって
音量を調整するようになっている。詳しいことはパワーアンプのところで説明することにしよう。
え? 僕のマイクには付いてないって? もしかして、それはダイナミック型のマイクじゃないかな?
パッドやアッテネータが付いているのは一部のコンデンサマイクだけなのだ。最後に言うなって。
Atsushi Hirai; 2006-01-01 open; 2006-01-01 update
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