[4.5.9.音が出るぞ]で音を大きくしていった時に、「肉声とスピーカーから出る声が何か違うぞ。不自然だな」と
感じたら、それは正しい。そう思わなかった人、それもまた正しい。こちらからは音を出している空間の広さが
分からないし、人によって聴覚は微妙に違うから、あなたが感じている音の感覚が正しいというしかない。
なんか、雲をつかむような話だよね。[3.4.1.音の通り道]で、わたしたちはいつも直接音と残響音が
混じった音を聞いているという話をしたのを覚えているかな? ある一定の音量を出した時に、生の音と比べて
不自然に聞こえたり、聞こえなかったりするのは、音を出している空間の広さと、直接音、残響音、それに
使っている機材の特性が複雑に絡み合っているからだ。
だから、音を出している空間や、機材などが全て具体的に分からないと、どうしても、雲をつかむような話に
なってしまうのだ。
ここでは、そのあたりのことをもう少し詳しくみていこう。